駐車場整備地区とは?
駐車場整備地区とは、都市計画法の第8条に記載された都市計画地域の中に定めることのできる地区の1つで、駐車場法の第3条で市街地内やその周辺地域で自動車交通が1カ所に集中しそうな際にスムーズな道路交通を維持するために市区町村が定めるとしています。
具体的には駐車場整備地区内で駐車場整備計画を立てて、公営や民営の駐車場設置を促すことができるのです。
2021年に国土交通省が発表した「令和3年都市計画現況調査」の結果によると、駐車場整備地区には全国で119都市、170地区が指定され、決定面積は28,064.3haとなっています。
駐車場整備地区における駐車場整備計画の事例
駐車場整備地区が定められた場合、具体的に市区町村ではどのような駐車場整備計画を立てて駐車場設置を進めていくのでしょうか。
2017年に中野区が発表した「中野区駐車用整備計画」の事例をご紹介します。
元々中野区では2011年に中野区駅周辺を駐車場整備地区として定めていましたが、中野四季の都市などの開発が進み、中野区役所・中野サンプラザ地区の一体整備などでさらに都市機能が集積することを見込んで、駐車場整備地区を中野4・5丁目を含む「駅北側地区」、「中野四季の都市・囲町地区」、中野2・3丁目を含む「駅南側地区」の3つに変更しました。
このエリアでは駐車場不足は起きていませんが、次のような課題があったのです。
これに対し中野区は公民連携で違法駐車の解消を図り、荷さばき施設の確保、自動二輪車のための駐車スペース確保、公共駐車場の確保などの対策を行った他、東京都駐車場条例に基づく地区の特性に応じた駐車施設の附置に関する基準である、地域ルールの導入を検討しながら今後の駐車用整備を行うこととしました。
駐車場を取り巻く環境が変化したのに合わせて、駐車場整備地区も柔軟に変化させた好事例と言えるでしょう。
まとめ
駐車場整備地区とはスムーズな道路交通を維持するために、市区町村が駐車場整備計画を立てて公営や民営の駐車場設置を促すことができる地区のことで、全国で119都市、170地区が指定されています。
この記事も参考に、駐車場整備地区についてさらに理解を深めてみてください。